【読書感想文】ヘミングウェイ『老人と海』
※後半の方にネタバレ的な要素があるので注意してください
皆さん、こんにちは。えりかです。
今日は珍しく自分で題を持ってきました。
かねてから積ん読していたヘミングウェイの『老人と海』を読了したので、感想文を書きたいと思います。
まず、この本と出会ったきっかけから。
きっかけ自体は大したことありませんでした。割と最近までしていた就活の気分転換がてらあんまり入ったことのない近所の書店に入ったら売られていました。なんとなく聞いたことがあったのと、表紙がきれいだったのと価格が良心的だったというのが決め手で(動機が不純すぎるんじゃ)買ってみたというのが正直な感想です。あんまり長くなく挫折しなさそうというのも理由でした。
買ってから少しだけ読んだだけで2ヶ月ほど積ん読していたのですが、ちょうど『Quiz Knockと学ぼう』の9月の読書会ライブでこの本が課題図書となっているのを見かけて縁を感じ、本腰を入れて読んでみた次第です。
感想を一言でいうと、「じいさんが釣りして帰るだけの内容をよくぞここまで書いたもんだな」です。
前にSNSの書き込みで「文学というのは1行で終わる内容を何百ページもかけて表現すること」みたいな書き込みを見かけたのですが、『老人と海』はその典型例ではないでしょうか。
事実、平たく言ってしまえば「じいさんが釣りして帰る」だけなのです。それを、自然との対話や自分の体との対話をうまく織り交ぜながら話が展開していきます。
※ここからネタバレ注意
もっと正確に言うと「じいさんがカジキを釣ったら帰るときにサメにカジキを半分食べられた」という話なのですが、カジキとの読み合い、サメとの戦い、各描写の細かさに、読んでいて飽きません。
最後の方に、「もしまた奴ら(サメ)が襲ってきたら、どうする?どうすればいい?」と爺さんが自問するのですが、
「闘う」「死ぬまで闘ってやる」
と宣言するじいさんのかっこよさに、「胸を撃ち抜かれるとはこういうことか」と実感しました。
この感情は多分、今までの話を読んだ人にしか湧いてこないと思います。要約だけ見て名言として「闘う」「死ぬまで闘ってやる」を見るのと、今までのじいさんの思いや動き、神や運など自分ならざるものにすがりたくなる弱さとの葛藤をしっかり見守ってからこの言葉を見るのとでは、印象が全く異なってくると思います。
今日はこのへんで。ごきげんよう。